2002年7月12日(金) ビビエスからの続き話 |
えっと、中学の時おばあちゃんが無くなったんですよ。俺の。忘れもしない卒業式の日でしたよ。小さい頃からおばあちゃん子だったくせに反抗期&思春期でやさしくしてあげられない時期に。すまんかったと思います。ま、それはそれとして。 ある夕方ばあちゃんが二階にいる俺を呼ぶ声がします。「しんいち〜」「しんいち〜」と。「なんだようるせえな」とか思いつつ、その頃ばあちゃんは半分寝たきりだったので一階まで降りて行ったんですが。その当時家の隣は小さな墓地になってまして。ばあちゃんの部屋の窓からその墓地が見えるんですが、まあ、今考えたら縁起でもない位置に設定したものですが、家の間取りを考えたら、まあ、そこが適当だったと思います。父が理髪店をしてましたんで、廊下部分をお店に改装してしまい、その部屋以外の部屋は、家の端にあるトイレへ行く時にどうしても人が通りますので、寝たきりの人が寝たまま居るのには辛い仕組みだったのです。二階は上り下りがしんどいですし。そういうわけで、墓地が見える部屋にばあちゃんが居たのですが、窓から外を眺めています。「なーん?」と聞くと、「しんいち、あれは猫かいな、犬かいな?」と尋ねます。指さされた方をよく見てみましたが、何も居ません。「なんもおらんよ」と言っても、「いや、おるじゃない、あれは猫かいな、犬かいな?」としつこく尋ねます。指さす方向はお墓の塀から見える墓石の頂上あたりで、背景は夕焼け空です。ハッキリと何も無いのが解りましたので、「なんもおらん」としか言えなかったんですが、あまりにも言い張るので、俺は怒って二階に戻ってしまいました。ま、別に後日談もなく、、、。何日後に亡くなった、とか奇妙な符合も無く。淡泊な話ですまぬことです。 |
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