「出来た!完成だ!」
研究員の歓喜の声が研究室にこだまする。ついにやりとげたのだ。「しかし、思いもかけないモノが出来上がってしまった。」粘土を練り始めた時には思いも寄らなかった物体がそこにはあった。やはりどこかで見たような気がする。粘土はこねる者の記憶を探り、再現するのだ。自説の確かさに研究員は満足した。

強くて恐そうな顔つきのこの物体はやはり研究員の慣れ親しんだものであったが、立体として目前に存在するそれは、日々2次元で慣れ親しんだそれとは少々形状に違いがあった。しかし、その印象は研究員を満足させるに充分であった。もっこりした手足や、大きな頭は研究員の記憶に合致していた。斜に構えたポーズもそのままだ。
「これぞ私の求めていたものだ!」
研究員は手にとってよく観察してみた。
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なんとなく強そうだ